FC2ブログ

記事一覧

自院スタッフからの祝福 前篇

自院のスタッフから、出版祝いにと、花と酒をもらった。

そう書くと、
「えっ、アーリーリタイアしたんじゃないの?」
と驚く人もいるかもしれない。
これには、ちょっと説明が必要だ。

アーリーリタイアしたい、そして、自己実現を目的とした生き方に舵を切りたい、と考えはじめたのが、2014年の春。
そこから僕は、少しずつ、その準備を進めていく。
経済的な問題ももちろんあったが、それに加えて、自院の後継者を探さなければならなかった。
まさか、スタッフと患者さんをほったらかしにして、自分だけリタイアするわけにはいかない。

後に僕の跡を継いでくれることになる、当時は市内有数の大病院で勤務医をしていたT先生と面接をしたのは、2015年の夏。
このT先生という女性は、2児の母でありながら、バリバリと診療をこなし、さらに、本業が医者なんだかミュージシャンなんだかわからないくらいのノリでバンド活動もこなす、とんでもない人なのだが、いろいろ書くと怒られそうなので、詳しいことは略す。
ちなみに、「どうせ親か旦那がサポートしているんでしょ?」と思う人がいるかもしれないから、念のため記しておくが、ご主人はカメラマンで、T先生に輪をかけて多忙だし、両親はふた組とも市外に住んでいて、それほどの助力はもらえていないようだ。
ほぼ孤軍奮闘で、仕事、家事、育児に加え、音楽活動をこなすのだから、体力に自信のない僕など、話を聞いているだけで眩暈を起こしそうになる。
そしてまた、このカメラマンのご主人というのが、なかなかとぼけた人で・・・。
いや、いよいよ、本当に怒られそうだ。このくらいにしておく。

面接したときのT先生のスタンスは、開業には興味があるものの、子供が小さいこともあり、大きな責任を急に背負うことには、まだ抵抗があるというものだった。
もちろんその気持ちは理解できるし、それだけ真剣に医院継承を考えてくれていることがわかったので、僕は彼女の言葉を聞いて、落胆よりもむしろ、安堵する気持ちのほうが強かった。
話し合った結果、いずれは医院継承ということにしよう、でも、慌てず、少しずつ歩を進めて、最終的にはそうなればいい、という程度の約束にしよう、ということになった。
第一、急な変化は、スタッフや、患者さんにも負担になるはずだ。それは避けたい。
T先生と僕は、なんら契約書めいたものを交わすことなしに、口約束で、大体の流れを決めた。
僕も相当適当だが、T先生のおおらかな人柄も、このエピソードから大体想像してもらえると思う。

2016年2月、病院を辞職したT先生が、僕のクリニックでの診療をスタートした。
医院名はそのまま、ただ、僕は毎週、水曜日の午前中だけ仕事をし、残りの枠はすべてT先生に任せた。
そして、お子さんの学校行事などで、T先生が休みを取りたいときは、僕が代打で診療にあたるというシステムが定着した。
僕が自著でも、このブログでも、「2016年2月、医院を『実質的に』後輩に譲り」という書き方をしているのは、そのためだ。

となると、
「それではアーリーリタイアではなく、セミリタイアではないか?」
という意見も出てくるかもしれない。
言葉遊びのようなものだから、どうでもいいことではあるが、一応、僕なりの見解を記しておく。
僕がもし、生活のために、ある程度診察を続けなければならないのなら、それはセミリタイアだ。
だが現状では、経済的独立を果たした上で、その後、T先生への移行をスムーズにするため、週に半日の診察を楽しんで行っているのだから、それはある程度の報酬を伴うとはいえ、僕にとっては、アーリーリタイア後の余暇じみた活動のひとつに過ぎない。
その他の活動、執筆やイベント企画からも、額は少ないとはいえ、僕は報酬を得ている。
何らかの報酬を得ている間は、アーリーリタイアという言葉を使うな、というのなら、僕は死ぬまでリタイアできない可能性が高いということになりそうだが、文意を考えれば、そちらのほうがよほど屁理屈であると、簡単にわかってもらえると思う。
本気で遊べば、そこから収入が派生しがちであることは、自著でも、このブログでも書いてきた通りだ。
僕を慕ってくれる昔からの患者さんたちと、週に半日、診察するふりをしながら(あ、言っちゃった)世間話を楽しむことが、義務めいた労働であるわけがない。

状況の説明だけで長くなってしまった。
肝心のエピソードは、明日ということで。



本日もご来訪ありがとうございます。
お陰さまで「セミリタイア生活」ランキングにて、上位に留まることができています。
無名の僕が、本書の存在を知ってもらう唯一の手段が、このブログであり、ランキングです。
そのためには、引き続き、皆様のご支援だけが頼りです。
お手数をおかけしますが、応援のひと押し、何卒よろしくお願いします。
  ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村


絶賛発売中!
スポンサーサイト



コメント

No title

私も女医さんとつきあいたいです。(笑)

Re: No title

はたから見るほど、いいことばかりでは、きっと・・・。
まずい、まずい。また余計なことを口走りそうになってる(笑)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

フリーエリア

フリーエリア