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高いものに慣れてはいけない ~グルメ達の気の毒な日常

このたび、「4週間で幸せになる方法」という本をセルバ出版から上梓した。
そこで本ブログでは最近、幸福に関係しそうな本を紹介している。
今週は僕の前作、「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」を紹介させてもらっている。

今日紹介するのは、「高いものに慣れてはいけない ~グルメ達の気の毒な日常」というタイトル。
本当に、グルメほど馬鹿馬鹿しいものはないように思える。
うまいものになれてしまえば、「快楽順応」により、幸せを得にくくなってしまう。
かといって、そんじょそこらのものでは満足できない。
体にも懐にもきつい、悪循環が続くだけだ。
食事は健康的なものを適量いただくのが一番!
どんな珍味だって、空腹という調味料には太刀打ちできない。
その程度のものだと僕は考えている。
これまた長いが、一読していただければうれしい。
では、また明日。


“開業医として成功し、収入が増えたのにもかかわらず、地味な生活態度を変えようとしない私を見兼ねたのか、裕福な友人が高級寿司店に連れて行ってくれたことがあります。友人にしてみれば、「おいしいものの味を教えてあげたい」という好意からの行動だったのでしょうし、私自身も、いくぶん緊張はしたものの、町で一番といわれる味を存分に堪能することができました。
その後、二次会に移動するためのタクシーの中で、友人は私にからかうような口調で言いました。
「こういう味を覚えたら、もう回る寿司屋なんて行けないだろう?」
しかし私はその後も、寿司といえば家族で行く回る寿司屋か、近所にある、あまり高くないお店の出前で満足しています。高級なお寿司屋さんはもちろん素敵でしたが、「一生に一度で十分かな」というのが正直な感想でした。逆に、もし私が本当に、「もう回るお寿司になんて行けない」なんて感じていたら、その後の人生は大変だっただろうと思います。
以前、テレビを見ていたら、あるタレントが、いわゆる風俗店での遊びについて、自分は行ったことがないとことわった上で、こう言っていました。
「酔った友達から、これから一緒に行こうって、しつこく誘われたことはあるけどね。風俗はすごいぞ! これを経験したら、もう普通のセックスじゃ満足できなくなるぞ、って。でも、それを聞いて思ったんだ。僕はまだまだ普通のセックスを楽しみたいから、もしそれが本当なら、なおのことそういう店には行っちゃいけないな、って」
例え話として適切かどうかはわかりませんが、このタレントさんの発言には、我が意を得る思いがしました。貪欲に刺激を追い求めるのではなく、逆に、元の生活に戻れなくなるかもしれないような快楽は、あえて避けて通るという考え方は、長い人生を通じて質の高い豊かさを享受し続けたいのであれば、とても賢明なことのように思われます(でも風俗って、そんなにすごいんですかね?)。
作家の内田百閒は、いいお酒を土産でもらった際、それがいつも自分が飲むものより「はるかに香りが高くてうまかった」と認めた上で、「常用の味と違う!」と言って、料理用に回してしまったそうです。この話は、内田百閒の偏屈さを表すエピソードとしてよく引用されますが、私はむしろ、彼の幸福に対する揺るぎない信念を感じます。おいしいものや高級品が、必ずしも幸せをもたらすわけではないと確信していなければ、さすがにここまではできないでしょう。これもまた、我が意を得たり! とここまで言っておいてなんですが、私ならもちろん、料理用にしたりはせず、冷やでありがたく頂きます。だって、もったいないもの!
高いものに馴れれば、安いものは以前よりもおいしく感じなくなってしまいます。私自身もこのところ、それなりにいいワインをたしなむようになったため、数百円で売っているワインには、あまり食指が動かないようになってしまいました。舌が肥えるということは(と偉そうに言うほどのレベルではありませんが)、何かと不自由なものなのです。
食事だって、地の旬のものなら、たいていはおいしいですよ! 私の町なら、春はウマヅラハギ。刺身に蒸した肝を和えると絶品です。また、妻の実家が山間部にあるので、山菜をたくさん送ってきてくれます。夏はあわび。近くの海岸での漁が解禁になる一~二か月の間だけ、びっくりするぐらい安く、新鮮なアワビが手に入るのです。刺身を醤油につけるのではなく、塩とレモンを少しだけかけてスパークリング・ワインと合わせるのが、私と妻とのお気に入り。枝豆、ゴーヤといった野菜も、この季節の楽しみです。秋、冬は、挙げていたらきりがありませんが、例えば刺身ならサバや寒ぶり、焼き物ならハタハタ。真だらの白子、あん肝もうまいし、加えて、おでんに鍋料理。ああ、だめだ、書いているだけで一杯飲みたくなってきちゃった!
希少価値であるために高額になってしまう珍味の類や、選りすぐりの高級食材なんて、別に食べなくてもいいじゃないですか。キャビアだってフカヒレだって、冷静に考えれば、値段に見合うほどのおいしさはないと思いませんか? 高価なモノや刺激的な環境に馴れ、それなしでは幸福感が感じられなくなるような生き方は、どうしてもというこだわりがあるのでない限り、避けて通るのが無難なように私には思われます。
「美味しんぼ」の海原雄山なんて、日々を苦痛なく過ごすためにどれだけ苦労しているんだろうって、つくづく同情しますもの。まあ、余計なお世話でしょうけど。“



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「誰でも4週間で幸せになれる」ことを目指した、自信作です。
ぜひ手に取ってみてください!

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2018年1月10日 新潟日報 朝刊
2019年1月23日 新潟日報 朝刊





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お金に束縛されず、心豊かに過ごすことを望む
すべての人に、ぜひ読んでほしい1冊です。

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プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

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