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”幸せの確率” 発売にあたって~先輩・後輩からの激励メール

0時を過ぎた。
というわけで、いよいよ今日、僕の本の発売が開始される。
落ち着かない。
緊張して、多少飲み過ぎた。
ご祝儀だと思って、筆が滑るのは容赦してほしい。

今回の出版に関して、先日、先輩、後輩医師にメールで報告を行ったところ、丁寧な返事を多数いただいた。
正直に言うと、医師から作家への転身は、一部の医師からは評判がよくない。
自分のしていることを否定されているように感じるのかもしれない。

今だってもちろん、医師は素晴らしい仕事だと、僕は思っている。
決して、軽視しているわけではない。
辞めたのは、すべて、「自分の勝手な都合」による。
やりたいことがあるのに、それに気づかないふりをしながら、診療という枠の中に自分を無理やり押し込む生き方が、限界に達してしまった。
そのような心境を、わかってくれる人もいれば、不条理なほど敵対視してくる人もいる。

あくまでも個人的見解だが、それは「視野の広さ」の問題なのかもしれない。
視野の広い人は、同門の無謀なチャレンジを、おもしろがる余裕がある。
おお、やってみろと肩を叩いてくれる。

視野が狭い人は、自分と違う価値観に対して寛容になれないのだろう。
だから、とりあえず否定から入る。
人の意見や生き方に否定から入ることが、どれだけ簡単、かつ安直な自己肯定手段かということがわかっていないから、恥ずかしげもなく他者を断罪し、悦に入っている。
(ちょっと辛口だネ)

まあ、いい。
僕の人生には、もはや何の関係もない人々だ。
今日は、僕の門出を後押ししてくれた、温かいメールだけを紹介したい。

まずは後輩のT先生。
「先生の生き方羨ましいです。処女作楽しみにしております」
とのこと。
このT先生、気持ちがいい人であるだけでなく、見た目も実にゴージャスなので、独身時代はとにかくもてた。
(今ももてると思うが、面倒なことになると悪いので、あえて書かない)。
当時は僕も独身だったので、あんなにもてたらどんなに楽しいだろう、と半ばやっかみの目で見ていた。
だから、T先生に「羨ましい」と言われると、面映ゆいような、不思議な気分になる。

同じくイケメンの後輩、S先生からはこんな返信があった。
「生涯初の作家の友人(友人でいいですよね?)が出来て、僕も感慨深いです」
彼はN潟県でもっとも患者数の多い皮膚科医であり、かつ株トレードで成功しており、さらに不動産ではマンションやアパートを10数棟(部屋じゃなくて、棟!)所有する、地元の不動産キングだ。
彼の過激なtwitterは10,000人近いフォロワーをもっている。
(彼は『どこが過激なんですか?』と真顔で聞いてくるのだが、すべてが過激だ、としか答えようがない)
彼流の、「感慨深い」という言葉、これを一般言語に訳すと、「ネタをありがとう」ということになるのだが、そのようなリアクションをもらうと、自分がなかなか面白いことをしているように思えて、ワクワクしてくる。
(ひたすら文章を書き、出版社にダメ出しをされ続け、校正に追われ、今日からは書店へ飛び込み営業。そんなに面白いわけがないんだけどネ)。

そうそう、このS先生と去年、ふたりで飲んでいた時。
なかなか出版のオファーをもらえない僕が、
「出版の成功率、知ってる? 0.3%とか、0.5%とかしかないらしいよ」
とこぼすと、S先生は驚いた口調でこう返してきた。
「そんなにあるんですか? 0.1%以上もチャンスがあるなら、それは掴み取らないと!」
このときはびっくりしたが、今思えば、彼なりの激励の言葉だったのだろう。

学生時代に仲がよかった、脳外科医のU先生は、こんな返事をくれた。
「周囲の医療業者や家族がなんと言おうと、正しい判断であったと支持します」
僕が何も言わなくても、周りからの反応は必ずしも温かいものばかりではないだろうな、というところまで慮って返信してくれる、彼の思いやりがうれしかった。
そういった彼の洞察力の深さは、昔から変わらない。
そして昔から、友人がしでかした過ちの責任を、自分で引き受けてしまうようなところがある。
友としてはありがたいが、彼自身は気の遣いすぎで、医師として、夫・父として、大変な日々を送っているのではないか、と心配になってくる。

先日、彼からのメールにはこう書かれていた。
「うっち~みたいに医者を辞めて、僕はラブラドール牧場をしたいんだよね。
犬を連れてホスピスを回ったら受けそうじゃない?」
うん、やはり心配だ・・・。

先輩のK先生からはこんなリアクション。
「私の知る昔の内山先生を思い浮かべてみると、『作家.内山』が実にしっくり馴染みます」
僕も今やすっかり温厚になったが(本当か?)、若いころは周囲との軋轢が多かった。
一部の先輩医師たちにうまく合わせることができず、つまらない諍いを繰り返しながら、それによって自分自身が消耗するだけでなく、周りの人々を辟易とさせることもしばし起こった。
K先生はそんな僕のひねくれた言動を、少し離れたところから、茶化すように笑って見守ってくれた。
だから、「作家内山がしっくりくる」は、決して褒め言葉ではないと僕にはわかっている。
あの頃の自分を思い出し、恥ずかしい思いをするとともに、K先生のもつ他者への寛容さに、尊敬の念を新たにした。

そして、大先輩のM先生。
M先生からのメールは、激励の言葉であふれたものだった。
長文なのですべてを紹介はできないが、一部だけ記させていただく。

「まずは第二の人生に出発、おめでとうございます。
出版されましたら、第一号として買わせていただきます。
人生という単位、長さで考えた場合、子供の頃から考えていたことに紆余曲折しながらたどり着くということは、あるんだなぁと今更ながら思いました。
私個人としては何かを作る/造る/創るという事にいちばん価値があると思っていますので、先生の決断には最大級の敬意を表したいと思います。
先生のメールを読んで思い出したことがあります。
私は中学生の頃、人に見せる前提ではない散文を書きつづっていました。
その中で、『自分は20代から30代は自然科学を極める。40代になったら人を教育する、50歳を過ぎたら文章を書く』
という一節がありました。そのノートはどこに行ったかもうわかりませんが、今でも頭の片隅にあります。
先生も丁度50歳になり、奇しくも私の50歳のイメージを歩み始めたのだなあ、という勝手な感慨に浸っています」

M先生は優れた臨床医であると同時に、音楽家でもある。
だからこそ、「何かを創るという事にいちばん価値がある」という言葉が、さらりとでてくる。
丁寧な祝福のメールを頂き、ただただ恐縮するしかなかった。
僕はお礼に、こう認めた。
「創造することに一番の価値、とまでは私には言いきれませんが、少なくとも、それより面白いことはなかなかないだろう、とは考えています」
もちろん僕は、クリエイティブなことが一番の価値をもつ、と心の底では思っている。
ただ、音楽的才能をもちながらも、臨床家としての責任に重きを置き、今でも医師として留まっているM先生に対し、作家への転身を望んだ僕がそう書くのは、不遜であるように思えた。
だから、少し言葉を濁した。

医師には、まじめではあるものの、融通が効かなかったり、少し傲慢な人が多いように思える。
しかし、一般的な医師像とは異なり、柔軟性や寛大さを持ち合わせた先輩・後輩たちも僕の周りにはたくさんいて、彼らに励まされ、支えられることによって、今の僕がある。
感謝の気持ちでいっぱいだ。

彼らには、ぜひ献本させてもらいたいと思っている。
どのように評価してくれるのか、あるいは、批判をしてくれるのか、今から楽しみでならない。
それがどんなものであれ、寛容さを持ち合わせた才人たちからのアドバイスが、僕の血肉になるであろうことは間違いないからだ。
それだけでも、作家への転身を目指した意義があったはずだ、と僕は考えている。

僕の処女作「幸せの確率」は、今日、出版される。
うかれたノリで前夜祭を楽しんでいたのでは? と想像する人もいるかもしれないが、今の僕は、とてもそんな気分にはなれない。
家族への思い、患者さんたちへの思い、自院スタッフへの思い、そして、元同僚の医師や友人たちへの思い。
医師から作家への転身は、決して幸せに彩られた物語ではない。
だからひとりで、静かに飲んでいる。

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今回のことで、多くの人に、迷惑や心配をかけた。
すべてが自分勝手な「諸事情」によって、だ。
理不尽な扱いも多く受けたが、それは自分の責任と割り切ることができる。
ただ、僕の一連の行動により、結果として大きな負担をかけてしまった人々に対する、申し訳ない気持ちが、うまく整理できないまま、ずっと心にわだかまり続けている。
それらの人々への贖罪の姿勢を忘れることなく、それを「十字架」として背負うつもりで、日々厳粛に、明日という日に下されるであろう審判を待ちながら、誠実に文を紡いでいこうと思う。
愚直なまでに、誠実に。
それ以外に、術がない。

妙な具合に、酔っている。



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僕の大好きな、故中島らもの名作。
酒呑み必読の書だ。
まだ読んでない??
うらやましい! 僕もできれば記憶を一部消去して、もう一度素から読み返したい。



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プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

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