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ノルウェイの森ではなく、ノルウェイ製の家具? ビートルズの名曲を巡る論争があるって、知ってましたか? 1

今、村上春樹氏の「雑文集(新潮社)」という本を読んでいるのだが、その中にとびきりおもしろいエッセイがあった。
タイトルは、「ノルウェイの木をみて森を見ず」というもの(タイトルもまた、うまいなあ)。



ビートルズの名曲「ノルウェイの森(原題;NORWEGIAN WOOD)」において、「NORWEGIAN WOOD」は何を意味するのかというのがテーマだ。
多くの人は知っていると思うが、村上春樹の同名の長編小説は、ビートルズのこの曲を題材にしている。
この曲、聴けば知っている人がほとんどだと思うが、歌詞まで熟知している人は少ないと思うので、まずは英詩を紹介し、僕なりの日本語訳も併記してみる。


NORWEGIAN WOOD (This Bird Has Flown)
By John Lennon and Paul McCartney

I once had a girl
Or should I say she once had me
She showed me her room
Isn't it good, Norwegian wood

以前に女の子をひっかけた
いや、彼女が僕をひっかけたと言うべきかな
彼女は部屋へ案内してくれた
なんとも素敵な、ノルウェイの森じゃないか?

She asked me to stay
And she told me to sit anywhere
So I looked around
And I noticed there wasn't a chair

彼女は僕に泊っていってと言って、
好きなところに座るよう加えた
そこで部屋を見渡したら、
椅子がないことに気がついた

I sat on a rug, biding my time
Drinking her wine
We talked until two
And then she said, "It's time for bed"

僕は敷物に腰をおろし、ワインを飲みながらチャンスを待った
2時まで会話したところで、彼女は言った。
「もう寝る時間だわ」

She told me she worked in the morning
And started to laugh
I told her I didn't
And crawled off to sleep in the bath

彼女は、明日は朝から仕事と言うと、笑いだした。
僕は仕事はないと告げたけど、仕方がないから浴室で寝た

And when I awoke I was alone
This bird has flown
So I lit a fire
Isn't it good, Norwegian wood
 
翌朝、目が覚めると僕ひとりで、
小鳥は飛んで行ってしまっていた
そこで僕は暖炉に火を入れた 
なんとも素敵な、ノルウェイの森じゃないか?
******************************************


なぜいきなり「ノルウェイの森」が出てくるのか?
以前から不思議ではあったが、そこが幻想的でいいのだと、単純に解釈していた。
goodとwoodで語呂もいいから、こんな言葉が入ったのかもしれないな、とも思っていた。
ところが、このNorwegian woodは、実はノルウェイの森ではなく、「ノルウェイ製の家具」だという説があるというのだ。
となると冒頭の歌詞はこうなる。

“以前に女の子をひっかけた
いや、彼女が僕をひっかけたと言うべきかな
彼女は部屋へ案内してくれた
なんとも素敵な、北欧家具じゃないか?“


確かに歌詞の辻褄は、「ノルウェイの森」と訳すよりも合いやすい。
でも、これではせっかくの幻想的な雰囲気が、ぶち壊しになってしまう。

この論争に対する村上春樹の主張を、冒頭で紹介した著書から抜粋する。

“僕が読んだかぎりにおいては、その「ノルウェイ製の家具」説についての正確な根拠は明確には示されていない(「アメリカ人は知らないかもしれないが当時イギリスで Norwegian Wood といえば北欧家具のことだったんだ」という程度の一般的事実が示されているだけだ)。
(中略)
翻訳者のはしくれとして一言いわせてもらえるなら、Norwegian Wood ということばの正しい解釈はあくまで<Norwegian Wood>であって、それ以外の解釈はみんな多かれ少なかれ間違っているのではないか。歌詞のコンテクストを検証してみれば、Norwegian Wood ということばのアンビギュアスな(規定不能な)響きがこの曲と詩を支配していることは明白だし、それを何かひとつにはっきりと規定するという行為にはいささか無理があるからだ。(中略)もちろんそのことばがことば自体として含むイメージのひとつとして、ノルウェイ製の家具=北欧家具、という可能性はある。でもそれがすべてではない。もしそれがすべてだと主張する人がいたら、そういう狭義な決めつけ方は、この曲のアンビギュイティーがリスナーに与えている不思議な奥の深さ(その深さこそがこの曲の生命なのだ)を致命的に損なってしまうのではないだろうか。それこそ「木を見て森を見ず」ではないか。Norwegian Wood は正確には「ノルウェイの森」ではないかもしれない。しかし同様に「ノルウェイ製の家具」でもないというのが個人的な見解である。“
*********************************************


この意見に僕は、完全に同意する。
ノルウェイの森にせよ、北欧家具にせよ、絶対にこっちだとこだわると、この曲のよさが台なしになってしまうように思える。
時にはあえて決めつけないことも、大切なのではないだろうか?
なんといっても、これは「詩」であり、「説明文」ではないのだから。

興味をもって、さらにネットで調べたところ、Nowregian Wood はノルウェイ産の木材だ、という意見もあった。
案内された彼女の家自体が、ノルウェイの木材で造られていたのでは? というのだ。
これもまた興味深い。
となると最後の歌詞はこうなる。

”翌朝、目が覚めると僕ひとりで、
小鳥は飛んで行ってしまっていた
そこで僕は火をつけた
なんとも素敵な、ノルウェイ産の木材じゃないか?”


Nowregian Wood をノルウェイの森と考えれば、I lit a fire は「暖炉に火を入れた」になるが、もしそれがノルウェイ産の木材を意味するなら、その家自体に火をつけたと解釈するほうが自然になる。
その考えに立って、さらに意訳すれば、最後の一行は、

“さすがノルウェイ産の木材、見事な燃えっぷりじゃないか?”


となり、歌詞から幻想性は消え、かなり暴力的な雰囲気になるのだ。
でも、させてもらえなかった腹いせに放火って、そんなビートルズソング、あり???

う~ん、難しいし、おもしろい。
ここで村上春樹のエッセイに戻ると、この歌詞について、ジョン・レノン自身が何て言っているのかを調べた上で、紹介している。
これが面白すぎて、僕はぶっ飛んだ。
それについては明日書くので、乞うご期待!

(文中・敬称略)





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プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

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