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アーティストのドラッグ使用について、私見を述べてみる~違法薬物について思うこと4

ドラッグについての最終回。
覚醒剤取締法違反で執行猶予中のASKAが先月、テレビに生出演して話題になった。
今回はドラッグの可否や安全性云々ではなく、ドラッグを使用したアーティストが世に送り出した作品をどう取り扱うべきかについて、自説を述べたい。

ASKAが逮捕されたとき、彼や、彼を含むデュオが過去に発表した作品は、出荷停止の上、自主回収された。
僕にはこれが理解できない。
ずいぶん前になるが、槇原敬之が逮捕されたときも、同じことが起こった。
僕は、アーティストの薬物使用と、彼らの発表した作品とは、明確に区別すべきだと思っている。
罪を憎んで、人を憎まず、という。
ましてや、その作品までを忌み嫌うことは、感覚的にどうしても理解できない。

文学の世界ではどうだろう。
故・中島らもがマリファナ所持で逮捕されたとき、もちろん彼は非難をうけたが、著作が書店から消えることはなかった。
芥川だって太宰だって、ひどい薬物中毒であったが、それを理由に彼らの作品を貶める人はいないはずだ。
音楽に話を戻して、じゃあ、井上陽水はどうだ?
今やNHKにまで出ているじゃないか。
ドラッグに手を出したアーティストの作品は流通されるべきではないと考えるのなら、アートを楽しむ前に、アーティスト本人に使用歴がないかを、しっかりとチェックすべきだろう。
ご苦労なことだ、と僕なら思うが。

今手元に、ロック・ミュージシャン名言集(株式会社バーン・オーポレーション)という本がある。
そこで欧米のミュージシャンがドラッグについて、どのように語っているか、いくつか引用してみる。


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もし政治家がLSDを飲めば、戦争、貧困、そして飢えはなくなるだろう。
ポール・マッカートニー/ザ・ビートルズ


LSDは、僕の進む道を教えてくれた。まるでこれまで話したり、見たり、聞いたり、考えたりしたものが間違ってたような感じがしたんだ。
ジョージ・ハリスン/ザ・ビートルズ


目が覚めたら廊下で寝てて、しかも腕から注射器をブラ下げたまんまだったよ。
スティーヴン・タイラー/エアロスミス


ドラッグのおかげでここまで来た。もし誰かに「ドラッグをやめるか?」って聞かれたら、「死んだ方がマシ」って答えるだろうね。やめる理由なんてないだろ?
ベズ/ハッピー・マンデーズ


地球上に人間が存在する限り、ヘロインだの何だのをやる人間は存在し続けるだろうな。ドラッグ中毒っていうのは本当にやっかいなしろものさ。どうして人間があそこまでおかしくなったり、自分を傷つけたりするのか理解できない。特に繊細で、賢くて、クリエイティヴな人間が犠牲になりやすいんだよ。
フリー/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ


ドラッグをやったアーティストなんて許さない、ともしあなたが思うのなら、あなたはビートルズもストーンズも楽しむことはできない。
でも、本当にそれって、まっとうな判断なのだろうか?

村上春樹は著書「村上さんのところ(新潮社)」の中で、薬物を使用したミュージシャンのCDが自主回収されたことを「やり過ぎだ」と主張した上で、このように語っている。

薬物を使用していたアーティストの作品を販売停止にしていたら、ロックにせよジャズにせよ、アメリカの1950年代から70年代にかけてのミュージシャンの作品の大半は、市場から消えてしまうはずです。チャーリー・パーカーだって、スタン・ゲッツだって、ジェリー・マリガンだって、バド・パウエルだって、セロニアス・モンクだって、ビリー・ホリデイだって、みんな麻薬で逮捕されています。マイルズだって、コルトレーンだって、ビル・エヴァンズだって、一時期は麻薬中毒に苦しんでいました。この人たちのレコードが市場からそっくり消えたら、ジャズの歴史はいったいどうなってしまうんですか?


答えは簡単だ。
「台無し」になってしまうのだ。

ドラッグに関して、近視眼的で、間違った知識をもっている日本人が多いと常日頃から感じていたので、4回にわたって書いてみた。
僕は断じてドラッグ支持者ではない。
ましてや、非合法の状態で使用されるべきではない。
どうしても使いたいのなら署名でも集め、合法化されるのを待つか、あるいはすでに合法化されている国や地域に移住して使用するのが、法治国家で生きる我々に課された共通のルールだ。

ただ、薬物使用に対する社会的制裁が、現状はあまりにも厳し過ぎるではないかと書いた。
さらに、日本人はダメで外人ならOK、ミュージシャンなら自主回収で作家ならセーフという、ダブル・トリプルスタンダードは、僕には理解しがたい。
その作品まで社会的に葬るなどということは、野蛮にすら思える。


作家、ウィリアム・バロウズは著書の中でこう書いている。

麻薬をやめるということは、一つの生き方を放棄することだ。


そういう考えの人がいたって、いいはずだ。




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プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

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