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A Prayer for Dan Thach 1 ~いつもながら、よくまあ飲んだ

先日、友人のダンと飲みに行った。
ダンはアメリカ人。身長が190cm近くあり、さらにジムで鍛え上げているから、巨大だ。
生粋のニューヨーカーだが、父上はベトナム系、数年前にお亡くなりになった母上はウクライナの血筋なので、日本人と欧米人とのハーフのようにもみえる。

1次会はイタリアンレストラン。
僕が友人と飲む時は、いきなりバーに行くことが多いし、その前に食べるとしても、せいぜいで寿司屋か居酒屋のカウンターだ。
男同士でフレンチやイタリアンなど、気恥ずかしくて行けない。
だが、ダンはそういったことには、あまり頓着しない。
どうせ出掛けるのなら、うまいものが食べたいという彼の希望で、大抵はイタリアンになる。

店選びでこだわるのは、飲み放題プランがあるかどうか。
ない店も多いし、例えあったとしても、何名以上、と条件がついていることが多いので、注意が必要だ。
なぜ、そこにこだわるか?
ふたりとも、よく飲むからだ。

ダンと親しく付き合っているのは、もちろん気が合うからなのが大きいが、他に、細かい一致点が多いから、という理由もあるように思える。
まったくの同い年、1968年生まれだ。
お互いの子供の年も近い。
政治、経済に興味がある。
現在、僕はリタイアしたが、知り合った頃は開業医だったから、自分の英語学校を経営しているダンとは、社会的立場が似ていた。
ともに家庭人であり、子煩悩だ。
そして、酒量が似たようなものなのに加え(ダンのほうが僕より少し強い)、飲むピッチが驚くほど一緒だ。

1次会で、ふたり合わせてワインを2本は飲む。
だから、飲み放題じゃないと、高くつく。
新潟なら、5000円以内で、ビール、ワインの飲み放題つきのコースが、わりと簡単にみつかる。
大変ありがたいが、店側にとっては、迷惑な客かもしれない。

この日の店ではないが、他の、行きつけのイタリアンレストランでは、僕らに対してだけ、ウェイトレスがグラスにワインをなみなみと注ぐ。
多分、「どうせカパカパ飲むんでしょ? それは止めないけど、いちいち注ぎに来るのが大変だから、たくさん入れておくね」とでも思っているのだろう。
酒飲みふたり、肩身が狭くないわけではないから、このくらい雑に扱ってもらうと、むしろ助かる。

この日の店は、初めて行く、評判のレストランだった。
中年男性ふたり組は僕らだけで、他はカップルか、男女の混ざった若者のグループで、みなお洒落だ。
一方で、ダンはセーター姿だし、僕はよれたシャツ。
見事に、場違い・・・。
でも、まあ、よかろう。
周囲に目が行くのは最初だけで、酔ってしまえば気にならない。
いつも通り、よく飲んだ。
仕事のこと、家族のこと、彼と飲むと話が尽きない。

途中、ダンが店内の他の客に目をやって呟いた。
「フムム・・・。みんな、若くて美しいね。僕らだけ、まるで小汚い中年のゲイカップルみたいに見えないかな?」
十分見えると思うよ!
だから僕は、もっとおじさんっぽい店に行きたいんだってば、ダン!!

で、2次会。
女将さんが、若いアルバイトの子とやっている居酒屋を覗いた。
二十数年前、ダンが日本に来たばかりのときにとてもお世話になったそうで、今でも女将さんを、実の姉のように慕っている。
この日は他に客もいなかったので、女将さん、それにバイトの女の子と、4人でしゃべりながら飲んだ。
ダンの日本語は十分流暢なので、こういう時は、僕とダンの会話も日本語になる。
ここでも、まあ、よく飲んだ。

3次会は、いつものSバー。
旧友のマサツグがたまたまカウンターにひとりでいたので、ゆっくりと一緒に飲みたかったのだが(彼はアメリカの大学を出ている)、出版にまつわるバタバタで疲れがたまっていたのか、1杯目のジンを飲み干すあたりで、くらくらしてきた。
体が妙に熱い。
ちょっと涼もうと、コートも着ないまま、ふらりと店を出たところまでは覚えている。
気がついたら、店の前のベンチで寝ていて、マスターとダンが不思議そうな顔で僕をのぞきこんでいた。

君たち、黙って見てないでさっさと起こしなさいよ!
新潟の冬だよ! 下手すりゃ死んじゃうじゃないか!

というわけで、その日は3次会でお開きになった。


帰る時、「じゃ」と手を挙げて、さっと別れられる人もいる。
礼儀としては、それがいいとわかってはいるのだが、僕はどうしてもできない。
理屈じゃない。性癖だ。
別れがさみしくて、自分の家は逆方向なのに、つい1~2ブロック、一緒についていってしまったりする。
僕と同様、ダンも見事にそのタイプなので、僕らの別れは、長く、見苦しい。
僕は繁華街のはずれに住んでいるので、大体ダンがマンションまで送ってくれる。
そうすると、今度は僕が、
「ここではタクシーが拾えないから、少し引き返そう」
と言って、繁華街まで戻ったりする。
ひどいときは、そのまま何往復もする。
馬鹿みたいだと思われるだろうが、ふたりとも歩くのは好きなので、これもまた楽しいのだ。
酔いが、そして、飲み過ぎて火照った体が、ほどよく冷めていく。

しかし、今書いていて思ったが、僕とダンが繁華街を往復する光景は、傍からみたら、さぞかし異様であるに違いない。
巨大な外人と、ろれつの回らない中年男が、熱く語ったり、時には肩を組んだりしながら、深夜に徘徊しているのだから。
歌うことすら、ある。
やけにロマンチックなゲイ・カップルだな、なんて思われていたりして。

まあ、他者からの評価なぞ、僕にとっては断じてどうでもいいのである。

・・・本当にどうでもいい話で終わってしまった。
明日から、本題に入る。

(つづく)




IMG_4250.jpg

写真。2次会にて。
すでに脳内煮え煮えの、中年男性ふたり・・・。
ここは本当にいい店なので、新潟に来ることがあったら、是非覗いてほしい。
繁華街のはずれにある、地元民しか知らない穴場だ。

ほのか


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プロフィール

内山 直

Author:内山 直
医師稼業からセミリタイアし、現在は「なんちゃんて」文筆家。
有り余る時間を武器に、興味のあることに次々と取り組みながら、妻、子供3人とまったり暮らしています。
2017年に「幸せの確率~あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」、2018年に「4週間で幸せになる方法」をセルバ出版から上梓しました。
どんなにお金があっても、地位が高くても、はたまた美貌の持ち主であっても、幸福度に大差はありません。
このブログでは科学的見地から「幸福学」の啓蒙に努めています。

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